宿を朝9時過ぎに出て、タクシーに乗り、和倉温泉駅に着いたのは、9時20分頃であった。まだ「サンダーバード」は入線していなかった。しかし、すぐに改札が始まり、自由席乗り場へ向かった。すると、すぐに七尾方から、683系のサンダーバードが到着した。前に並んでいたので、余裕で席を取る事が出来た。しかし、時間がたつにつれて、自由席のほうが徐々に混み出してきた。席は一番最初に確保してあるので、ホームに出て、683系などの写真を撮っていた。発車時間が近づくと、自由席は空席が一つもなくなった。
9時51分、定刻にサンダーバードは発車した。デッキにあった電話通話表を見ると、北は新潟から、南は新宮、西は、神戸まで、そして、東は名古屋まで表示がしてあった。サンダーバードが名古屋に早く来てほしいものである。七尾に着くと、数人が自由席に乗りこんだが、席がなく、デッキに流れていった。すでに和倉温泉で満席になるとは、思いもよらなかった。
羽咋駅に着くと、とうとう車内の通路まで立ち客が出てしまった。しかし、特急でも立たないといけないのは、屈辱であろう。やはり特急料金を払うのだから、座っていたいものだ。津幡駅の到着直前に、富山から来た相棒のサンダーバードが通過した。金沢で前寄りに増結する車両である。金沢駅の手前では、北陸新幹線の高架橋があった。所々、高架橋が出来あがっており、金沢駅のところもすでに高架があり、駅のスペースもあった。いつ完成するか分からないが、まだまだ先のような感じがする工事状況であった。10時49分金沢駅に到着した。しかし、すぐには、扉が開かず、増結作業が始まった。増結したときの衝撃は少なかった。そして、驚いたのは、自由席にいたほぼ全員が金沢で降りてしまったことであった。そして、自由席はガラガラのまま、発車していった。
次に乗るには、昨日車両確認済みの11時06分発の特急「北越」である。ホームへ行くと、すでに入線していたが、車両を見て驚いた。なんと、485系のリニューアル車ではなかったのである。なんと、紛れもなくボロ型・・・。これには、ショックを受けてしまい、逆にダマされてしまった。681系とは違い、加速、スピードも遅く、停車駅も多いため、高岡駅には30分かかった。ダマされた特急であった。
特急「北越」は、11時33分に高岡に到着した。最後のローカル線の旅、城端線のホームへ向かう。氷見線とは反対方向の淵のホームから発車する。発車まで20分もあるのに、すでに列車は止まっていた。しかも、かなり高校生が乗っていたが、ワンボックスが空いていたので、席は確保できた。車両は、キハ40系であった。なんと窓が改造されていた。しかも、冷房もあり、扇風機もあった。発車間近になると、立ち客が出るほど混雑した。11時58分定刻に発車しようとしたとき、急ブレーキを掛け、扉が開いた。乗り遅れであろう。確かに本数が少ないから、これは、許されるのであろう。
いつになったら空いてくるのだろうかと思いながら、車窓を眺めると、砺波駅に到着した。城端線で一番大きな駅である。ここで、一気に減った。だが、乗る客もそれに負けず、多かった。結局は、乗車率も変わらず、走りつづけた。田園風景が続いていたが、福光辺りに来ると、だんだんと山がはっきりと近づいているのが分かった。福光に着くと、ほとんどの客が降りてしまい、今までの乗車率が嘘のように、静まり返った。やっと、ワンボックスを1人占め出来るようになった。山に囲まれ始めると、終点の城端駅に到着した。ここから先は山が行く手を阻むと言う感じのようだった。折り返しまでの7分間に駅名などの写真を撮った。
12時54分、ガラガラのまま、城端駅をあとにした。このままの乗車率で高岡まで行くのだろうと思っていたが、福光駅に着いたときに、それがとんでもない状態になってしまった。高校生集団がたくさん乗りこんできた。よく考えると、テストである。福野駅でも乗りこんできた。そして、最大のヤマは、砺波であろうと考えた。砺波に着くと、いるわ、いるわ、大集団。しかし、ここで意外だったのは、今まで乗っていた高校生のほとんどが降りてしまったのである。これには、驚きを隠せなかった。そのため、入れ替わっただけで、今までと同じ乗車率となった。
これで、ヤマは越えたであろうと思い、田園風景を眺めていた。だが、これだけの乗車率では許されなかった。行き違い可能な駅、戸出駅に着くと、恐ろしいほど高校生が待っていた。車内は、すべて立ち客で埋まってしまった。まるで、ラッシュだ。いやはやえらい列車に乗り合わせてしまったものだ。そして、13時39分高岡駅に到着した。まるでラッシュのような混雑だった。久しぶりのローカル線の大混雑に乗り合わせ、大荒れの城端線の旅であった。
うっとうしいほどの高校生の集団から抜け出せたのは、特急の乗車ホームに降りたときだった。さすがに特急で帰るやつはいないだろうと思った。すぐに特急「サンダーバード」が到着した。さすがに次が終点のため、混雑していなかった。来たのは、683系であった。高岡を発車すると、氷見線のホームには、氷見から来たキハ58系から、たくさんの高校生の大集団が降りるところだった。氷見線の沿線にも高校があるのだろう。「サンダーバード」は、約10分で富山に到着した。さすがに「サンダーバード」は、早かった。これは、北陸人も誇れる特急である事を改めて認識した。
14時20分過ぎに富山駅の高山線の自由席乗り場に向かう。誰も客がいなかった。14時25分、何の案内放送もないうちに、特急「ひだ」が到着した。清掃の為に、すぐに入ることは出来なかった。14時40分頃にやっと入れるようになった。すかさず運転手とは反対のほうの一番前の座席と2番目の座席を確保した。後ろにいた客が悔しそうに、文句を言いながら、運転手後ろの一番前の席に座った。14時51分定刻に発車した。これで、北陸ともお別れである。自由席の乗客は、全くなかった。越中八尾を過ぎ、山が一気に迫ってきた。そして、速度もやはり遅くなった。平坦な道でも時速80キロくらいであった。
15時25分、猪谷に到着した。ここで、運転手がJR東海に代わった。この駅で、連絡をする神岡鉄道の車両は、なかった。打保駅では、ポイントの所にシェルターで覆われていた、雪が多いと言う事であろう。ここで、反対側の「ひだ」と行き違った。山が少し途切れて、平坦な路線になってくると、飛騨古川駅に到着した。自由席には、かなりの量の客がいた。一瞬ひやりとするが、満席になることはなかった。ここから、高山までは、平坦な線路でスピードもかなり出していた。16時16分高山駅に到着した。ここで、増結作業が始まる。高山から自由席に乗る客は、増結する車両のほうに並んでいて、こちらの車両に来る人間は、ほとんどいなかった。
これで、あとのヤバイ駅は下呂のみとなった。
定刻より、遅れて高山を発車した。約40分で下呂に到着した。自由席に並んでいる乗客は少なかった。ここで、降りる客も多かった。
そして、遅れを取り戻すことなく、下呂を発車した。途中、飛騨金山までの飛騨木曽国定公園を通り、白川口駅付近の飛水峡などの案内があった。中川辺までくると、やっと山岳地帯を脱出して、平坦な路線になった。そうなると、ひだのスピードは一気に上がり、100キロを越えるスピードとなった。やはり、2分遅れて美濃太田に到着した。ここから乗り込んでくる乗客がいるのも、驚いてしまった。もったいない使い方である。あるいは、周遊券でも持っているのであろうか?美濃太田からもかなり飛ばしたものの、岐阜には、2分遅れのまま到着した。ここで、方向転換して、東海道線を走る。岐阜を出ると、パワーアップしたかのように、走り始め、時速120キロを出した。そのおかげなのか、名古屋駅には、定刻通り、18時36分に到着した。今回は、非常に余裕のある旅の行程であった。